「電話に出ない」「本部対応なのでと本部に電話してもアポイントにならない」…介護業界へのテレアポで、こんなお悩みはありませんか?
その原因は、相手が誰であるか、そしてその役割に合わせたアプローチ設計ができていないことにあります。介護業界の決裁者には、大きく2つのタイプが存在します。
- 現場責任者タイプ: 施設長、事務長
- 経営責任者タイプ: 法人本部の人事・採用担当者
本記事では、この2つのタイプに合わせて、アポイント獲得の成果を出すための具体的な方策を解説します。
現場責任者(施設長・事務長)向けのテレアポ術
施設の運営を任されている施設長や事務長は、日中の大半を現場での業務に費やしています。このタイプには、「現場の負担軽減」という視点が最も響きます。
1.【現場担当者の気質と話し方】
現場を支える施設長や介護主任は、常に時間に追われ、利用者の安全を最優先に考えています。そのため、以下のような気質を持つことが多いです。
無駄を嫌う合理性: 長々とした説明や回りくどい言い回しを嫌い、「結論から」「何のために」という点を重視します。
現場目線での共感: 抽象的な話よりも、「シフトの穴埋め」「残業時間の削減」といった、現場で本当に困っている具体的な課題に反応します。
「安全」への高い意識: 利用者の安全に関わる話題には、特に真剣に耳を傾けます。
テレアポでは、こうした気質を理解し、「現場の負担を減らす」という切り口でアプローチすることで、相手の心を開きやすくなります。
2.【現場のゴールデンタイム】
介護業界は、1日の業務サイクルが非常に明確です。このサイクルを理解し、担当者が比較的電話に出やすい時間帯を狙ってアプローチすることが、成果を左右します。曜日は月・火が狙い目です。木曜日はお休みが多い傾向。末締め・月初処理や行事前後は、担当者の反応が揺れやすいため注意です。
3.【現場に刺さるトークの極意】
テレアポで介護施設の担当者様に話を聞いてもらうには、“営業口調”を脱却し、現場の負担軽減に焦点を当てたトークを心がけることが重要です。
ポイント1:取引先からの要件のような滑り出し
多くの担当者は多忙なため、長々とした挨拶は禁物です。なじみの取引先からの用件のように、簡潔で具体的な要件を伝えることで、相手の警戒心を解きます。
例: 「〇〇の△△と申します。夜勤シフトの人員確保の件で確認させてください。」 → ポイント: 挨拶を簡潔にし、具体的な要件を先に伝えることで、「聞くだけなら大丈夫そうだ」という安心感が生まれます。
ポイント2:現場の空気に配慮(要点30秒)
「今忙しい」と切り返された場合でも、すぐに引かずに、相手のメリットを短時間で伝えます。
例: 「夜勤の人員確保/早番の欠員対応について、現場負担を減らす具体策のご案内です。」 → ポイント: 相手の課題を先に提示することで、「それは聞きたい」という心理を引き出します。
ポイント3:通話時間は「5分」で勝負
テレアポの目的は、その場で全てを説明することではありません。特に介護現場では、5分を超える通話は「業務を妨げる長い電話」と認識され、警戒される傾向があります。
意識すべきこと
3分〜5分で次の約束を取り付けることをゴールに設定しましょう。
通話時間が5分を超えそうになったら、潔く「一度、改めてお時間をいただきたいのですが」と切り出すのが有効的です
・NG例と好印象ワード
NG例「ご検討いただけませんか?」
理由:相手に思考を委ねるため、優先度が低くなる。
NG例「お時間よろしいでしょうか?」
理由:今はだいたい良くないため、断る口実を与えてしまう。
好印象なワード例「確認だけですぐ終わります!」
効果:相手の時間を尊重する姿勢が伝わり、心理的なハードルが下がる。
好印象なワード例「安全面と業務負担の観点で1分いただけますか?」
効果:「安全」というキーワードは、介護現場の最重要項目であるため、話を聞いてもらいやすくなる。
4.【アポで押さえるべきコツ】
・予定を埋められることに抵抗がある
特に施設長などの現場の担当者は、先の予定を確定させることへのストレスを感じています。
・なぜ予定を嫌がるのか?
突発的な欠員や利用者の体調変化が多いため、予定を確約することが難しい。
業者や取引先にも、フレキシブルな対応を求められることが多いです。
「後日改めて」よりも「今このタイミングなら聞ける」という現場感覚が根強くあります。
・アポ提案はできるだけ直近を意識しましょう。
「今日の15:30頃、20分ほどお時間空いてたりしませんか?」のように、“段取りの軽さ”を演出し、心理的なハードルを下げます。
・訪問とオンライン、アポの取り方にも工夫を
現場一筋の施設長や介護主任は、オンラインツールに対して強い抵抗感を持っていることがあります。
オンライン=煩わしい、と感じる心理:「Zoom?よくわからんもんは、めんどくさい」という反応は日常茶飯事です。
対応策: 基本は訪問でのアポイントを優先し、オンラインになる場合でも「URLをクリックするだけ」「スマホOK」「顔出し不要」といった一言を添えるだけで、心理的ハードルがぐっと下がります。
これらのポイントを押さえて、“現場に寄り添ったアプローチ”を行うことが、現場責任者との商談機会を獲得する鍵となります。
2.本部担当者(人事・採用)向けのテレアポ術
法人本部の人事担当者は、現場の状況だけでなく、組織全体の数字や長期的な戦略に関心があります。このタイプには、「経営指標の改善」という視点が最も響きます。
1.【本部担当者の気質と話し方】
本部担当者は、現場の負担だけでなく、採用コストや定着率といった経営指標に関心があります。そのため、以下のような気質を持つことが多いです。
論理的な思考: 費用対効果やデータに基づいた説明を好みます。
経営指標への関心: 「採用コスト削減」や「定着率向上」といったKPIに直結する話題に反応します。
未来志向: 制度変更が組織の将来にどう影響するか、という点に関心があります。
テレアポでは、こうした気質を理解し、「経営を動かす」という切り口でアプローチすることで、相手の心を開きやすくなります。
2.【本部担当者への適した時間とタイミング】
法人本部へのテレアポは、現場施設への架電とは時間帯が異なります。一般的な企業の営業時間に合わせてアプローチすることで、担当者につながる確率が高まります。
・日中のタイミング
10:00–12:00と13:00–16:00が、本部担当者と話せる可能性が高い時間帯です。
この時間帯は会議・打ち合わせ業務も集中しているため、不在の場合もあります。不在の場合は、戻り時間を確認し、改めて電話をかけ直しましょう。
昼休憩の時間帯(12:00–13:00)は避けるのが無難です。
・週の中でのタイミング:
週の中盤(火・水・木に架電する方が、アポイントにつながりやすい傾向があります。
週の初め(月曜)や終わり(金曜)は、週次の会議や事務処理で忙しく、電話に出にくいことがあります。
・月の中でのタイミング:
月初め(1日〜10日): 請求や締め処理の対応で忙しいため、避けるのが無難です。
月の中盤(11日〜20日): 業務が落ち着き始める時期。最もアポイントが獲得しやすい狙い目です。
月末(21日〜末日): 次月の準備や決算処理で再び多忙になるため、避けるのが良いでしょう。
これらのポイントを押さえることで、単に架電数を増やすだけでなく、担当者と話せる確率を高め、効率的に商談へと繋げることができます。
3.【本部に刺さるトークの極意】
テレアポで本部の人事担当者様に話を聞いてもらうには、“現場の負担”ではなく、「経営指標の改善」に焦点を当てたトークを心がけることが重要です。
ポイント1:KPIに直結する滑り出し
多くの担当者は多忙なため、長々とした挨拶は禁物です。なじみの取引先からの用件のように、簡潔で具体的な要件を伝えることで、相手の警戒心を解きます。
例: 「〇〇様の法人で、特定技能人材の採用コスト削減について、2点だけサクッと確認させてください。」 → ポイント: 「採用コスト削減」という経営指標を冒頭で提示することで、相手は「聞くべき話だ」と感じ、話を聞く姿勢に変わります。
ポイント2:論理的な共感を呼ぶ切り返し
「今は間に合っている」と切り返された場合でも、すぐに引かずに、相手のメリットを短時間で伝えます。
例: 「はい、承知いたしました。一方で、特定技能人材の離職率が約6割に上るというデータもありまして、採用コストが膨らむ可能性について、何か対策はお考えですか?」 → ポイント: 業界の課題をデータで提示し、相手の潜在的なリスクに触れることで、話を聞く姿勢に変わります。
ポイント3:通話時間は「10分」で勝負
本部担当者様は、具体的な数字や論理的な提案を好みます。そのため、ある程度の時間を確保し、本質的な話をすることが重要です。
意識すべきこと:10分〜15分で次の約束を取り付けることをゴールに設定しましょう。
通話時間が10分を超えて話が続いている場合、それは相手が真剣に関心を持っているサインです。
・NG例と好印象ワード
NG例「現場のシフトが大変そうですね」
理由:現場の状況は把握していますが、経営指標やコストの話に繋がりにくいため。
NG例「お時間よろしいでしょうか?」
理由:目的が不明確なため、相手に断る口実を与えてしまいます。
好印象なワード例「採用コスト削減」「定着率向上」
効果:本部担当者が追っているKPI(経営指標)に直接響くため、話を聞いてもらいやすくなる。
好印象なワード例「2027年制度切り替え」
効果:未来を見据えた戦略を話すことで、「この担当者は当社の将来を考えてくれている」という信頼感につながる。
本部担当者は、具体的な数字や論理的な提案に反応します。アポイント獲得の確率を最大化するために、上記のポイントを押さえれば、商談へと繋がる確率は高まるでしょう。
まとめ:相手の“役割”でアプローチを変える
介護業界へのテレアポ成功の鍵は、電話に出た相手の役割を瞬時に見抜き、その視点に寄り添ったアプローチに切り替えることです。
- 現場担当者には「現場の負担」に焦点を当てた簡潔なトークを。
- 本部担当者には「経営指標」に焦点を当てた論理的なトークを。
これらのポイントを押さえて、“現場と経営、両方に寄り添ったアプローチ”を行えば、テレアポからの商談・受注は十分に実現可能です。
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